オナクラは性のラーメン屋
歌舞伎町の雑居ビル。
三田製麺の隣に、小さな看板が光っている。
「ハンドキャンパス新宿」。
この光景を見て、僕はふと思った。
オナクラって、ラーメン屋みたいだな。
「安い・早い・うまい」は性にもある
オナクラの最大の特徴は、安く・手軽で・早いこと。
いわば、性の“ファストフード”だ。
30分3,000円。予約なし。駅から徒歩10分。
入ってすぐ出てこれる。
そのスピード感は、まるで「ちょっとラーメンでも食ってくか」という感覚に近い。
風俗というと特別なイベントのように思われがちだが、
オナクラはむしろ“生活の隙間”に入り込んでいる。
仕事帰り、飲み会の後、ちょっとした時間。
“性の空腹”を埋める場所としての存在感がある。
カスタマイズできる欲望
ラーメン屋では、トッピングで自分好みに仕上げる。
煮卵、ねぎ増し、替え玉。
オナクラも同じだ。
受付でコースを選び、30分3,000円を支払う。
メニュー表には、まるでトッピングのようなオプションが並ぶ。
「コスプレ」「言葉責め」「ディープキス」――
自分の“欲望の味”に合わせて、アレンジができる。
基本スープ(=基本プレイ)があり、
その上にトッピングを足していく構造。
案内された部屋は、2畳ほどの小部屋。
清潔で、どこか無機質。
隣に女の子が座る。
触れない。
でも、視線が交わる。
それだけで、体が少しずつ温まっていく。
まるでスープの湯気に包まれるような感覚だった。
“無駄”がない安心感
オナクラには、ソープのような身体的接触がない。
だからこそ、リスクも少ない。
感染症も、恋愛トラブルも、ほぼゼロ。
「安心して抜ける」という点で、
まるで“深夜でも胃に優しいラーメン屋”のようだ。
つまり、オナクラ=安全設計のエロ。
この「ほどよい距離」が、現代人の心にぴったり合っている。
性のインフラとしてのオナクラ
ラーメン屋が、もはや“日本の食文化の基盤”になっているように、
オナクラもまた、“都市の性文化の基盤”になりつつある。
そこにはドラマもロマンもない。
ただ淡々と、欲望を満たし、また日常に戻る。
だけど、たまに思う。
この「淡々とした満足」こそ、現代の幸福の形なんじゃないかと。
男はなぜ、オナクラに並ぶのか
オナクラの行列に並ぶ男たちは、
「抜きたい」というより、「整えたい」のかもしれない。
欲望を、手軽に、清潔に、日常の中で処理する。
それは、ラーメンをすするような習慣。
そこに罪悪感はない。
ただ、“今日も一日がんばった”という確認行為があるだけだ。
オナクラは、現代の都市生活者にとっての、
“夜の一杯のラーメン”なのだ。
